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福祉事業に取り組む企業特集 フジホーム株式会社

本日はフジホーム株式会社の代表取締役 岡野健さんにお話を伺いました。

「たがが杖、されど杖」

杖を通して福祉分野を幅広く情熱を持ってお話しして下さいました。

「商品開発にかける想いを教えて下さい」

元々、インテリアの会社で働いていました。6 年前にこの会社に来て杖などの開発、販売を始めたのですが、商品を見て最初に思ったのが「使いたくないなと思うようなデザインだな」でした。だから、カッコよく、使いやすく、使ってみたいなと思わせるデザインにしていかなければならないなと思いました。


だから、色んな機能をつけるようにメーカーから注文があるのですが、使う人が本当に必要だと思う機能が備わっている製品を作るのが重要だと思います。 開発者の自己満足で終わってはいけなくて、常にユーザー目線でいることを心掛けています。

作り手側が作りたい物と使い手側が使いたい物のギャップを埋めていかないといけない。

それは常に心掛けています。

「デザイン性を重視しするようになるキッカケはありますか?」


一番のキッカケはやっぱり自分がもし使うようになった時に使いたいと思うようなデザインの試用品が無いと思ったことです。

ユーザーが商品を購入する時に、そもそも介護用品や福祉用品のお店に入りたいとはなかなか思わないかなと、だからインテリアショップや雑貨屋さんに商品を置いてもらうにはどうしたらいいかなと考えたんです。そこで、うちのグループ会社はメインはインテリアなのでインテリアと融合させるデザインはないかと思い、実際にインテリアに使っているか壁紙を使ったりして商品の開発に至りました

写真:現在販売中のウィリアム・モリスステッキ


「デザインは岡野さん自身が考えているんですか?」


デザインコンセプトは社内で考えています。実際にデザインをするのはプロの方にお任せしてます。あとは親会社のデザイナーにお願いしたりもしています。

「コンセプトを考えられる際に苦労する点などはありますか?」


実際に使われる方がどんな人なのかのマーケット調査はします。例えば、どんなファッショ ンなのか、どうゆうものが好みなのか、男性か女性か等の調査をして、ある程度のデザインコンセプトを決めてそこから社内外から色々とお話を聞いてブラッシュアップして最終的なデザインを決めます。

「デザインのアイディア等はどんなところからヒントを得ていますか?」

同じ業界の商品だけを見るのではなく、全く関係のない展示会に行ったり、街をブラブラ歩いたりしてヒントを得ています。 常にアンテナを張って考えてます。枕元にメモ帳を置いて夢の中に出てきたことを書き留めたりしてます。

「お客さんとの印象的なエピソードはありますか?」


商品マニュアルがあるのですが、これを作る時にHPに書いてない情報等も色々と集めて作るんです。その中で一番印象的だったのは、売場の方が最初の声掛けをどうするかに気を 付けていることを知った時です。敢えて「プレゼントですか?」と聞いたりとか、買いに来 る方の自尊心を傷付けない言い方をすると工夫されているです。 その人が周りからどう思われているのか等も考えながら商品開発をしないといけないと知った時は少し衝撃的でした。

「商品マニュアルを使った勉強会を開催されていると伺いました」


はい。それは、いろんな所で開催しています。ケアマネージャー等のプロの方も杖のことに関して一時間も説明するメーカーはなかなかないと思います。 よく一時間も喋れるねと驚かれます。知ってるようで、知らない人が殆どなんなだと思うんです。だから、もっと奥深い商品だということをもっと伝えたいかなければならないと思います。


「伝えることに関して難しいことは何ですか?」


こういった足を支える為の杖などは実際に使ってみないとわからないんです。しかも、足が不自由ではない状態で使ってもなかなかわからないことが多いんです。そこは、やはりなか なか伝わりにくいなと感じることはあります。だから、片方の足に重りを着けて使ったりとか色々と工夫をしてます。

「今、福祉に関する関心は高まっていると思いますが、若い人にもっと関心をもってもらうには何が必要だと思いますか?」


やっぱり小さい時の教育が重要だと思います。車いすの体験をするとか、障がいを持った人に来てもらい一緒に何かをやるとか、子どもの時からそういった経験をしているとかなり変わってくるのかなと思います。 1日車いす体験などをしたら街中がいかにバリアフリーが充実していないかがわかると思います。あとはパラリンピックがいいキッカケになればと思います。

「会社として出来ることは何だと思いますか?」


一番国が困ってることはお金がないことだと思うんです。実際、何にお金を使っているかというと健康保険と介護保険で、それを使わないようにするには、皆が健康でいることだと思うんです。健康でいるためにはどうすればいいかのお手伝いを私たちは行っているので、そういった意味では事業そのものが社会貢献になっているのかなと思います。 あとは、介護はされる人もする人も大変だと思うんです。今は老々介護で高齢になって介護をする人も増えているので、 会社や企業にとっても介護で仕事を休むことも少なくなり、本人の負担も少なくなる事が 重要だと思います。 そこは我々の指名だと感じています。

「今後の目標を教えて下さい」


カタログに書いてあるような "介護用品" や "福祉用品" って言葉を使うのが良くないのかなと思うんです。 そこで福祉や介護を受ける人が使う物と区分けしてしまっていると思うので、それはダメかなと思います。私たちの作っている商品は介護を予防するための商品で、なるべく介護を受けないようにするにはどうすればいいか?に着目した商品なんです。簡単に言ってしまえば、介護予防用品なんです。それをもっと違う呼び方にしたいなと思っています。そうすることによって使う人がいいイメージを持ってもらえれば、早い段階から使えるようになると思うんです。 歩けなくなくギリギリで使うのではなく、もっと早いタイミングで使うことによって、その人の身体能力を保つことにも繋がるし健康寿命を長くすることにも繋がっていきます。ずっと健康でいられると思うんです。だからそのイメージを変えていくことが一番の目標です。それは会社としても個人としても両方の目標です。 今までは高齢者向けの商品をメインに作ってきたのですが、若くして歩行が困難な人達もいるので、そういった人達の歩行もサポートするメーカーになれればとも思います。 因みに車いすは、うちの会社はやらないんです。車いすに乗らないようにするための商品は全部やりたいとは思います。車いすは何でダメかと言うと、歩行しないことにより脚の筋肉が落ち、結果歩けなくなり寝たきりに繋がる場合が多いからです。


写真:フジホームの商品 TwinZstick


フジホーム株式会社

http://www.fujihome.co.jp/

トーソーグループ

https://www.toso.co.jp/toso_info/history/index.html


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