
第34回全日本資格障害者柔道大会が12月8日(日)東京の講道館で行われた。
男子 66 キロ級では、今年 9 月のアジア大会銅メダルの瀬戸勇次郎選手(19=福岡教育大) が 2 連覇を果たした。
出場 5 選手の総当たり戦をオール一本の 4 戦全勝で戦い抜いた。
生まれた時から弱視で、17 年に健常からパラに転向した瀬戸。目標としていた藤本選手から勝利した瀬戸は「技をかけるタイミングを見計らっていた。かかってよかった。」と謙虚に語りつつも「ようやく勝てるようになってきて、目標を超えようとしている。今ではライバルです。」と堂々と語った。
瀬戸勇次郎(せと・ゆうじろう)
2000 年(平成12年)1月 27日 福岡県糸島市生まれ。先天的に色覚に異常があり、視力は右0・07、左 0・05。4 歳から柔道を始め、糸島市立前原小時代はスポーツ少年団に、同前原西中、県立修猷館高では柔道部に在籍し、健常者の大会に出場していた。高校 3 年の夏に視覚障がい者柔道に転向。教職を目指して 18 年 4 月に福岡教大に進学し、現在、特別支援教育教員養成課程中等教育部 2 年生。身長 169 センチ。初段。
90 キロ級では広瀬悠選手(伊藤忠丸紅鉄鋼)が優勝した。 また、試合後の囲み取材に妻の順子さんと登場。 広瀬悠選手は「最近は故障が続いていたが、優勝できてよかった。」と語っていた。
妻の順子さんは「東京大会で夫婦で出場し、揃ってメダルを取りたい。」と改めて夫婦揃っての来年の東京大会でのメダル獲得の目標を語った。

夫婦で囲み取材に応じる、広瀬悠選手と順子選手
広瀬悠(ひろせ・はるか)
1979 年 7 月生まれ。愛媛県松山市出身。伊藤忠丸紅鉄鋼所属。8 歳で柔道を始め、高校でインターハイに出場するが、2 年生の時に緑内障を発症して視力が低下。視覚障害者柔道に転向して 2008 年の北京パラリンピックに出場、100 キロ級 5 位。米国遠征で順子と知り合い、15 年に結婚。16 年リオ大会には 90 キロ級で出場。20 年の東京大会に向けて選手兼妻のコーチ役も務め、練習パートナーとして支える。
広瀬順子(ひろせ・じゅんこ)
1990 年 10 月生まれ。山口県山口市出身。伊藤忠丸紅鉄鋼所属。小 5 で柔道を始め、高校でインターハイに出場するが、大学 1 年で膠原(こうげん)病の一種である成人スティル病を患った影響で両目の視力が低下した。2012 年視覚障害者柔道に転向。16 年リオデジャネイロパラリンピック柔道女子 57 キロ級で銅メダルを獲得。
日本のお家芸でもあり、選手も見る者も試合終了まで油断は一切許されない緊迫感が魅力の柔道。
東京 2020 でもメダル獲得が期待される選手が各階級に存在する。 果たしてメダルを獲得するのは誰か? 大会本番へ向け、その独特の緊張感と期待度はこれからも更に高まることだろう。
日本資格障害者柔道連盟 https://judob.or.jp/